台湾の野鳥
台湾に生息する野鳥は 87 科 686 種類(2022 年資料)。
そのうち、台湾の固有種は 32 種類、台湾固有亜種は 52 種類で、合計 84 種類にのぼります。
他に、留鳥が 154 種、候鳥(渡り鳥)が 299 種、迷鳥が 182 種、海鳥が 32 種、外来種が 19 種類となっています。
ここでは、多種多彩で美しい台湾の固有種と固有亜種、そして台湾で人気の野鳥などをご紹介します。
主な台湾固有種
主な台湾固有種
帝雉
ミカドキジ
1600-3300mの高地の森林に生息する。台湾の1000元札のデザインにも採用されるなど、台湾を代表する野鳥の一つ。
藍腹鷴
サンケイ
嘉義県の県鳥。300~2500mの低地から中標高地にかけて広く生息しているが、現在では数が減り、世界絶滅種の鳥類の一つとされている。
深山竹雞
ミヤマテッケイ
体長約24cm。標高500-2300mの山地の森林の中に生息しているが、大雪山の山道でよく見られている。
台灣竹雞
テッケイ
雄雌で見た目はよく似ているが、雄のほうが少し大きい。平地から2000mの中標高地の山地や竹林などに生息している。
台灣擬啄木(五色鳥)
タイワンゴシキドリ
全身に緑、赤、黄、青、黒の5色の羽色があることが名前の由来。学校や公園など、割と身近な場所で見ることができる。
台灣藍鵲
ヤマムスメ
50~1200mの低標高地の森林や果樹園などに生息する。尾羽が約40cmと長く、尾の末端は白色。直線に飛ぶ。
烏頭翁
クロガシラ
シロガシラとよく似ているが、頭頂部と首の後ろが黒いのが特徴。台湾東部から東南部の平地に広く分布している。
火冠戴菊
ニイタカキクイタダキ
2500~3700mの高山針葉地帯に生息し、冬になると中標高地の山林地帯に降りてくる。体長約10cm。
臺灣叢樹鶯
タイワンオオセッカ
羽色は単調で、全体的に栗色。夏は3000mの高山低木林に生息し、冬には1000mの低い山に降りてくる。
褐頭花翼
アリサンチメドリ
2000~3500mの高山山林地帯に生息している。全体的に灰色の羽色だが、翼から尾にかけて栗色のグラデーションが美しい。
冠羽畫眉
カンムリチメドリ
頭頂部に褐色の羽冠があることが名前の由来。1200~2800mの中、高標高地の森林や草むらに生息している。
臺灣鷦眉(鱗胸鷦鷯)
タカサゴミソサザイ
体長約8cm。1500~3000mの中高標高地の草むら、渓流のそばなど湿った場所を好む。腹部に白のV字紋があり、鱗のように見える。
大彎嘴
マルハシ
200~2500mの低、中標高地の雑木林などに生息している。嘴が弧を描くように下に向かって曲がっていることが名前の由来。
小彎嘴
ヒメマルハシ
体長は約20cm。下に曲がる嘴は上が黒色で下は白色、白い眉毛と目元の黒が目を引く外観をしている。
繡眼畫眉
メジロチメドリ
平地から3000mの高山地帯まで広く分布しており、特に中標高地の森林などでよく見られる。目が大きく、目の周りが白いのが特徴。
黃痣藪鶥(藪鳥)
ヤブドリ
オリーブ色の体で、目の下に黄色の三日月がくっきりと見えるのが印象的。中標高地の渓流の近くの草むらや歩道などでよく見られる。
臺灣斑翅鶥 (紋翼畫眉)
シマドリ
体長約20cm。中標高地の森林や草むらに生息している。動きが比較的遅く、警戒心も低め。普段は小さな群れで枝の上にいることが多い。
臺灣噪眉 (金翼白眉)
タイワンキンバネガビチョウ
2500~3500mの高山針葉地帯に生息し、濃茶色の顔に白い眉と頬の線が特徴的。外側の羽に鮮明な黄金色があることが名前の由来。
臺灣白喉噪眉(白喉笑鶇)
ノドジロガビチョウ
背はカーキ色、腹部は薄灰色、頭頂部は明るい栗色で、喉の部分の純白色がよく目立つ。平地から2500mの竹林や草むらに生息。
臺灣棕噪眉(竹鳥)
タケドリ
500~2500mの低、中標高地の竹林や草むらに生息していて、紅褐色の胴体に腹部は灰紫、青色の瞼がよく映えている。
臺灣畫眉
タイワンガビチョウ
目の周りが白い中国のガビチョウと違って、橙色の全身に目の周りはブルーグレーになっているのが特徴。年々数が減ってきている。
白耳畫眉
ミミジロチメドリ
中標高地の原始林に生息しているが、冬になると低標高地の森林に降りてくる。黒色の顔に耳にかけて白い眼帯を巻いているように見える。
黃山雀
タイワンシジュウカラ
黒色の羽冠、背中から尾にかけては青鈍色で、顔と腹部分の鮮やかな黄色が目を引く。1000~2500mの低、中標高地の森林に生息。
赤腹山雀
ヤマガラ
丸々とした体形で、低、中標高地の森林に生息。頭部は黒と白のコントラスト、背から尾にかけては灰色、腹部は栗褐色とカラフル。
黃腹琉璃
チャバラオオルリ
雄は背中側と腹側の色の対比がとても鮮やか。低、中標高地の雑木林などに生息する。見晴らしのいい枝の上でよく鳴いている。
栗背林鴝(阿里山鴝)
アリサンヒタキ
中、高標高地の山林や針葉地帯に生息し、冬になると低標高地帯に降りてくる。縄張り意識が高く常に孤独で、岩壁の石の上などを好む。
白眉林鴝
キクチヒタキ
雄は背中側がブルーグレーで、腹部は白く、尾の下側が黄褐色。白くて後頭部にまで伸びる長い眉毛が特徴。1906年に菊池米次郎が発見。
小翼鶇
コバネヒタキ
体長約12cm。全身は深いオリーブ色で、白い眉と短い翼が大きな特徴。普段は低、中標高地帯に生息し、深い森林や暗い場所にいる。
臺灣紫嘯鶇
ルリチョウ
100~2500mの山林地域で渓流の近くや岩壁のある場所に生息している。体長約30cmで、全身光沢のある瑠璃色をしている。
白頭鶇
タイワンツグミ
1800~2500mの濃密な森林地帯に生息。雄は頭と顔の部分が真っ白。単独行動を好むが、たまに小さな群れでいることもある。
臺灣朱雀 (酒紅朱雀)
タカサゴマシコ
雄は赤ワインのような色をしているので、「酒紅朱雀」とも呼ばれる。2000mの高山山林地帯に生息しているが、環境への要求度は低め。
灰鷽
タカサゴウソ
普段は高山山林地域に生息するが、冬になると1200mの中標高地帯に降りてくる。顔と翼の先、尾の部分の黒色が目を引く外観。
主な固有亜種
主な固有亜種
環頸雉
キジ
台湾の東部や西部の平原地帯や丘陵地に分布し、宜蘭南澳、花蓮和平渓口、東華大学構内、台東初鹿牧場などでよく見られる。
大冠鷲
カンムリワシ
平地から2500mの低、中標高地帯に生息し、低い丘陵や開墾した山、茶園などでよく見られる。主食は蛇類で、別名「蛇鷹」とも呼ばれる。
臺灣松雀鷹
タイワンハイタカ
台湾にいる猛禽類の中では最も小型。体長は雄が約28cmで雌が約35cm。台北植物園や大安森林公園などでもよく見られる。
鳳頭蒼鷹
カンムリオオタカ
獰猛な性格で晴れた日には空中を旋回している。都市部での生活にもよく慣れており、台北中正紀念堂や台湾大学構内でも見られる。
金背鳩
キジバト
平地から低標高地帯の農耕地などの他、都市部の公園や街路樹、線路等に生息している。人を怖がる様子はあまりない。
紅頭綠鳩
ズアカアオバト
緑鳩によく似ているが、頭頂部の赤みがかったオレンジ色が特徴。体長は約35cmで、蘭嶼や緑島などの南部の離島地域に生息している。
黃嘴角鴞
タイワンコノハズク
淡い色の眉紋が耳羽まで伸びて、正面から見ると顔に大きなV字が見える。体長約20cmで、台湾北部の烏来でよく見られる。
領角鴞
オオコノハズク
体長約25cmで目の色は赤みの強いオレンジ色。顎の関節が特化し、頭は左右に270度動かすことができる。人間の生活圏でも見られる。
蘭嶼角鴞
リュウキュウコノハズク
全世界で琉球諸島からフィリピン諸島にしか分布しておらず、台湾では蘭嶼の密林でのみ生息している。体長は約20cm。
鵂鶹
ヒメフクロウ
低、中標高地の濃密な原生林に生息し、特に台北の烏来の山あいでよく見られる。体長約16cmで、単独行動を好む。
東方灰林鴞
タカサゴフクロウ
体長は約40cmで、顔の模様が半分に切ったリンゴに似ている。中、高標高地帯の原始林に生息し、阿里山などでよく見られる。
南亞夜鷹
シロアゴヨタカ
警戒心が強く、敵などが近づくとギリギリで飛び立つため、急に飛び出してきて驚かされることが多い。低標高地の渓谷などに生息する。
灰喉針尾雨燕
クロビタイハリオアマツバメ
分布は広く、低、中、高標高地の森林上空でよく見られる。尾羽の先端部分が突出していて「針尾」を形成している。
小雨燕
ヒメアマツバメ
普段は低標高地の上空を大群で飛んでおり、まれに中、高標高地の山あいでも見られる。体長は約15cmで、滞空飛行時間はとても長い。
大赤啄木
オオアカゲラ
白色の顔と喉の間に黒色の帯が首筋に延びてY字型の黒帯紋が見える。雄は頭頂部が赤いが、雌の頭頂部は黒色。
朱鸝
ヒゴロモ
雄は頭、首、前胸と翼は黒で、それ以外が鮮やかな赤。雌は雄と似ているが、胸から腹にかけて白い斑点が見える。
大卷尾
オウチュウ
平地から低標高地の山や平原、農村や街中でも見られる。全身光沢のある黒色で、尾が長く、外側の尾が緩いカーブを描いている。
小卷尾
ヒメオウチュウ
体長約25cmで見た目はオウチュウに似ているが、少し小振りで羽の色も青緑色に光る。性格は獰猛で、縄張り意識が強い。
黑枕藍鶲
クロエリヒタキ
雄の上半身は美しい藍色で、頭に小さな帽子をかぶっているような冠羽がある。平地から低標高地の樹林に生息している。
松鴉
カケス
全身は薄いピンクベージュ色で、額と顎のラインにかけて黒い髭を生やしているように見える。平地から3000mの混合林に生息している。
樹鵲
タイワンオナガ
平地の公園や学校構内から2000m以下の樹林や農耕地でよく見られる。印象的な黒くてしっかりとした嘴はわずかに下に曲がっている。
星鴉
ホシガラス
全体的にコーヒー褐色で、顔の頬の部分に白い斑点が密集している。2000~3000mの中、高標高地の針葉樹林に生息している。
臺灣鷦鷯
ミソサザイ
体長約10cm。丸目な体格で全身黒褐色、背中と翼に黒い斑点紋がある。冬になると低標高地の山あいや渓流岸などに降りてくる。
茶腹鳾
ゴジュウカラ
雑木林や森に生息し、比較的大きな幹や枝などで見られる。単独またはつがいで行動することが多い。
白環鸚嘴鵯
カヤノボリ
嘴はぷっくりとしていて乳白色、頭から首は灰色、体はオリーブ色。400~2000mの丘陵地や農耕地や草むらなどに生息している。
白頭翁
シロガシラ
体長約18cm。台湾西部の平原から低標高地の山林に生息し、スズメなどと同じく、公園や庭園、農地など人間の活動地域に暮らしている。
紅嘴黑鵯
クロヒヨドリ
嘴と足が赤く、頭頂部には短い冠羽がある。平地から中標高地の森林や農耕地に生息し、繁殖期以外の秋冬には大群で集まって行動している。
棕耳鵯
ヒヨドリ
台湾東部の亀山島や蘭嶼、緑島などの離島や墾丁の森林区などでまれに見られる。日本などで繁殖期を終えた後、冬に渡って来る。
臺灣小鶯
タイワンコウグイス
体長約13cmで、低、中標高地の草むらや樹林などに生息している。警戒心が強く、常に単独もしくはつがいで草原などにいることが多い。
深山鶯(黃腹樹鶯)
ミヤマウグイス
高標高地の森林の地面付近、竹やぶなどに生息する。木陰などに隠れることを好むため、なかなか見つけることが難しい。
黃頭扇尾鶯
タイワンセッカ
体長約9cm。平地から低標高地の丘陵や草原、農耕地、川床、湿地帯などが主な生息地で、単独もしくはつがいで行動している。
斑紋鷦鶯
ハウチワドリ
体長約16cmで、体の長さとほぼ同じ長さの尾が印象的。平地から中標高地の山あい、開墾地の草むらなどに生息している。
褐頭鷦鶯
アジアマミハウチワドリ
平地から低標高地の丘陵の端、植物のある場所に生息している。単独またはつがいで農耕地や水田、草むらなどでよく見られる。
粉紅鸚嘴
ダルマエナガ
嘴は厚みがあり短く、体型は小さく頭部が比較的大きい。翼は短くて丸みがあり、尾は長い。平地から2000mの竹林などに生息している。
黃羽鸚嘴
キンイロダルマエナガ
ダルマエナガに似ているが、全体的に緑がかった黄色の羽色で、目の上と頬に白斑、喉元の黒が目立つ。高標高地の竹林などに生息。
山紅頭
ノドフズアカチメドリ
平地から3000mの高標高地まで広く分布し、樹林の地面近くや草むらなどで多く見られる。体長約12cmで、帽子のような頭頂部の赤色が特徴。
頭烏線
マミジロチメドリ
体長約13cm。背中は茶褐色、腹部は灰色。頭頂部に短い冠羽があり、頭の両側にはっきりした黒紋が見える。
煤山雀
ヒガラ
中、高標高地の針葉樹林などに生息し、冬になると低標高地帯に降りてくる。頭頂部に黒い冠羽があり、頬の白紋がとてもよく映える。
青背山雀
キバラシジュウカラ
下腹の両側は鮮やかな黄色で、頬と後ろ首に白斑がある。背中は黄緑で、翼は藍色と白色の帯がある。低、中標高地の混合林に生息。
黃胸青鶲
ムネアカヒタキ
体長約12cm。雄は背中側がブルーグレー、腹側はオレンジ色、腹から下は白色。白くて太い眉が前額まで伸びている。
白尾鴝
コンヒタキ
2500m以下の低、中標高地の濃密で湿った森林などに生息。単独行動で渓流近くの陰湿な場所を好む。尾の両側にある白斑が特徴。
鉛色水鶇
カワビタキ
体長約13cmで、500~2300mの低、中標高地の渓流や湖畔付近に生息している。雄は鉛色の体に尾の紅色がよく目立つ。
小剪尾
シロクロヒタキ
300~2500mの低、中標高地にある山あいの水の綺麗な渓流や滝などに生息。そのため、渓流汚染の指標としても観察される。
(臺灣土)八哥
ハッカチョウ
嘴は象牙色、足はオレンジ色、全身は光沢のある黒色で、前額に冠羽(鼻冠羽)がある。農地や草地、ゴミ捨て場などで見られる。
紅胸啄花
ハナドリ
雄は背中側が灰色がかった金属のような青鈍色、喉と上胸が朱色、下胸は淡い黄色で胸から腹にかけて藍色の縦帯がある。
綠啄花
アオハナドリ
体長約8cmで、台湾の中では最も小さい鳥類。低、中標高地の樹林に生息し、単独あるいは小さい群れで活動している。
岩鷚
イワヒバリ
2500~3952mの高標高地にある亜寒帯針葉樹林や岩石などに生息。3952mの玉山でよく見られる。体長は約16cm。
褐鷽
チャイロウソ
嘴は短く厚く、喉から腹にかけては薄い灰色、尾の下は白、飛羽は黒で、腰に白斑がある。冬には1200mの中標高地帯に降りてくる。
その他人気の野鳥
その他人気の野鳥
仙八色鶇
ヤイロチョウ
体長約18cm。様々な羽色を持つ艶やかな姿が目を引く。夏の繁殖期に飛来し、冬にはボルネオ島などに南下し越冬する。
戴勝
ヤツガシラ
広げると扇状になる冠羽と、白と黒褐色の翼と尾が特徴的。体長約28cmで、平地の開けた草地や農耕地などに生息する。
斑魚狗
ヒメヤマセミ
アフリカからアジアにかけての河口や沼地などに生息。体長約27cmで、黒く細長い嘴と白黒の斑点模様、短い冠羽を持つ。
栗喉蜂虎
ハリオハチクイ
4月から9月の夏の時期、台湾では金門でだけ見ることができる。土を掘って巣穴を作るという特殊な繁殖活動を行う。
水雉
レンカク
湖や沼池などに生息。池の上に浮く睡蓮の葉や水草などの上を歩く事ができる。台南にはレンカクの生態教育園区がある。
蒼翡翠
アオショウビン
和名の由来となっている通り、翼のふちと背中は鮮やかな青色。台湾では金門でしか見られない。主に昆虫や小魚を捕食する。
黑頭翡翠
ヤマショウビン
カワセミの仲間で、体長約30cm。金門や馬祖でよく見られる。帽子をかぶったような黒い頭部が特徴。水辺で観察されることが多い。
主な野鳥観測スポット
主な野鳥観測スポット
台湾には美しい自然がいたるところにあり、いつでもどこでもバードウォッチングが楽しめます。
ただし、初めて台湾に来られるバーダーにとっては、どこで野鳥が観察できるのか分からないといった方も多いかもしれません。
ここでは、バードウォッチングはもちろん、台湾の自然も楽しむことができるおすすめの野鳥観測スポットをエリアごとに分けてご紹介します。
台湾にはバードウォッチングを専門に楽しめる生態系観測エリアが10数か所あり、普段の生息地だけでなく、季節によっても野鳥の種類が変化するため、夏と冬といった異なった季節に何度か訪れてみるのもおすすめですよ。
台湾北部
北部地域は、宜蘭、基隆、台北、新北、桃園、新竹の郡と市を含む7つの行政区から成り立っており、台湾島の面積36,000㎢のうち20%に対して、人口は46%を占めています。人口密度が高く、都市開発も進んでいるため、自然環境に大きな影響を与えています。
宜蘭は比較的人口密度が低く、加えて広い湿地が多いため、冬の渡り鳥の重要な生息地になっています。台北、新北、桃園はすべて人口密度の高い大都市圏であるため、公園や緑地、川沿い、そして海辺などが主に野鳥の観察スポットとなります。この大都市圏の周辺から台湾島の中央にかけては、低海抜から高海抜までの森林地帯で、多種多様な生物が生息しています。
台北市關渡自然公園
淡水エリアの南側に広がる自然公園で、淡水河と基隆河の交差点に位置するため、台北市内では珍しい湿地生態を観察できる。
台北市大安森林公園
約 26 ヘクタールにも及ぶ台北市内最大規模の公園で、ゴシキドリやタイワンオナガなど数多くの台湾の固有種なども生息している。
台北市植物園
100 年以上の歴史を持つ植物園。広大な敷地には 2,000 種類以上の植物が生い茂り、多くの野鳥が観察できる人気のスポット。
陽明山國家公園
台北市の北側にある国家公園。台北駅からもバスで約 1 時間半と近く、日帰りでも本格的なバードウォッチングを楽しめる。
野柳地質公園
「女王頭」などの奇石があることでも有名な観光地。バーダーの間では知る人ぞ知るバードウォッチングスポットとして有名。
宜蘭蘭陽平原
宜蘭河、冬山河と蘭陽渓の 3 つの渓流が交わっており、魚などのエサが豊富なことから多くの水鳥が生息している。
台湾中部
中部地域には、苗栗、台中、彰化、南斗、雲林の 5 つの行政区域があり、島の面積の 30%を占めていますが、人口は 25%と少ないです。中央には高山が密集した山脈が南北を走り、北と南にかけて徐々に海抜が下がっていくため、この区間は西部の平原から東に向かって進み、半日で海抜 3,000m の山岳地帯に出かけることができます。景観の良い道路や小道に沿って、多くの台湾に生息する野鳥(特に固有種および特亜種)を観察することができます。
大雪山國家森林遊樂區
台湾で最も有名な探鳥スポット。固有種の生息密度はアジア一とも言われ、ミカドキジやサンケイなどの国鳥はここでよく見られる。
奧萬大國家森林遊樂區
台湾で有名な紅葉の名所。バードウォッチングや森林浴を楽しめる魅力的な森で、 ヤマムスメなど 120 種の鳥が生息している。
合歡山國家森林遊樂區
海抜 3,000m を超える合歓山エリアは風光明媚なだけでなく、イワヒバリやミソサザイなど高原の野鳥を鑑賞するのに最適な場所。
溪頭森林遊樂區
海抜 850m の渓頭は、中低海抜では最高の探鳥スポット。ツグミ科が多く、珍しいタイワンシジュウカラやタイワンツグミが見られる。
阿里山國家森林遊樂區
高海抜の阿里山では、一年中バードウォッチングを楽しむことができる。ミカドキジやアリサンヒタキなど多くの固有種が生息する。
台湾南部
南部地域には、嘉義、台南、高雄、屏東、澎湖諸島を含む 6 つの行政区域があり、島の 28%の面積をカバーし、27%の人口を抱えています。
西部平原の農地と湿地、特に沿岸の潮間帯は、移動中の渡り鳥にとっては広大な「レストラン」であり、島の最南端の墾丁国立公園まで続きます。渡り鳥が次の停留地フィリピン諸島に立ち寄る前の、最後の休息地となっています。
鰲鼓濕地森林園區
台湾南西海岸の重要な湿地拠点。多様な地形と豊かな生態学的景観資源を備えており、毎年冬には何千羽もの渡り鳥が集まる。
官田水雉生態教育園區
園内には水生植物が豊富にあり、多くの水鳥が生息している。望遠鏡を通してレンカクの生態の神秘を観察することができる。
茄萣濕地公園
湿地生態が豊かで、さまざまな留鳥や渡り鳥、そして絶滅危惧保護動物のクロツラヘラサギが訪れ、ここで冬を越している。
墾丁國家公園
東は太平洋、南はバシー海峡、西は台湾海峡の三方を海に囲まれている。秋の渡り鳥の主な観察地として有名。
台湾東部
東部地域には花蓮と台東の 2 つの行政区域しかなく、面積の 22%、人口は 2%しか占めていません。南北に伸びる細長い行政区域は、平地が狭く、海岸山脈と中央山脈に囲まれています。中央山脈があるために西部からこの地域に入るのに交通がとても不便なため、「後山(遅れ た山)」とも呼ばれていますが、台湾で開発が最も遅れているおかげで、最も完全な自然景観を保持しています。
太魯閣國家公園
世界でも有 数の峡谷景観。冬には高地から野鳥が布洛湾に降りて寒さを凌ぐ。ジョウビタキやシロハラなど、多くの野鳥を鑑賞できる。
富源國家森林遊樂區
台湾の低地の中で、野鳥の種類が最も多い探鳥スポット。蝶も多く生息し、ヒゴロモ、ゴシキドリ、ベニサンショウクイなどが見られる。
離島
一年中野鳥が集まり 322 種が記録されている。世界でも珍しいヤツガシラやハリオハチクイなどがここでは一般的に見られる。
金門
中国本土、福建省厦門から 10 km 以内に位置しています。中国大陸の端に位置するため、中国南部からの常在鳥がここにも生息しており、野鳥が渡る「幹線道路」となっているため、 300 種以上の鳥が発見されています。
渡り鳥(冬の渡り鳥、夏の渡り鳥、通過鳥を含む)は 70%を占め、大規模な開発が進む中国大陸の厦門は金門より面積が小さいにも関わらず人口は最大 300 万人。金門は海上公園として、冬には 1 日で 90~100 種もの渡り鳥を観測することができます。
夏には多くの渡り鳥が馬祖島で繁殖期を迎え、「神話の鳥」と呼ばれるヒガシシナアジサシのほか、ウミネコなどが生息している。
馬祖
中国本土福建省の閩江河口の外に位置し、渡り鳥の通過点という特色があります。記録されている野鳥は426 種に達し、渡り鳥は 70%近くを占めています。春と秋はバードウォッチングに最高の季節で、予想外の収穫がたくさんあります。夏にここで繁殖するカモメの数はかなり多く、中でもヒガシシナアジサシは「神話の鳥」として最も有名です。
固有種の鳥も多く生息し、生態の楽園と称されている。リュウキュウコノハズクとズアカアオバトの 2 種の固有種はここで鑑賞できる。
蘭嶼
蘭嶼は台湾東部に位置し、地質景観が豊富で、唯一の先住民「タオ族」が住む離島です。先住民の文化は独特で、島の生態も独自に進化しています。野鳥の種類は多くはないものの、サンコウチョウやリュウキュウコノハズクなどここでしか見られない野鳥もいます。
澎湖諸島の野鳥の特徴は、渡り鳥の短い停留に加えて、夏の繁殖期に多くの種類のカモメがやってきます。
澎湖諸島
澎湖諸島は、台湾の西海岸から 50 km 離れた場所にあり、何百年もの間、中国大陸から漢民族が台湾に渡る際に必ず停留した場所です。もともと、海域の水産資源が豊富で、海鳥が群れで集まっていましたが、長期間の過剰漁獲によって漁業資源は枯渇してしまいました。